つれづれ手帖

アラフォー。純ジャパ。国際結婚。

日本人は他人の目線を気にしすぎ?

彼と初めてあって少し経ったころ、彼がわたしに言ったことが今も忘れられない。

 

「日本人は、もう2度と会うことはない、人生で関わることがないであろう誰だか知らない他人の目線を気にして、目の前の本当に大切な人をないがしろにするでしょ?
例えば駅で抱き合っているカップルがいるとするよね?
日本人はすごくジロジロ見る。まるで悪いことをしているみたいに。
でもそのカップルはもしかしたら、今生の別れを経験しているのかもしれないよ。
大好きな恋人とハグしたいと思う、その気持ちを大切にすることは悪いことじゃないでしょ」

 

確かにな…!!! 

 

「とにかく日本人は他人のことをすごく見るし、気にする。イングランドでは、知らない他人のことなんてそんなに気にしないよ。だって誰だか知らないし、自分に関わりないしね

 

ほんまにその通りです、弟子にしてください。

 

彼の言葉を聞いていると、人間ウォッチングが好きで、ゴシップも大好きなわたしは、もしかしたら人生の多くの時間を無駄なことに費やしてきたのかもしれぬ、と思えてなんだか虚しくなってきた。
わたしが人間ウォッチングとゴシップにかけた時間たるや、いかほど。
あぁ目の前が滲む…。

まぁそれはそれだ。だって楽しいんだもん。
ただ、それを見てああだこうだ批判したり、邪推したりすることは、とても無意味であることはわかった。

 

たとえば、人前でイチャイチャしている人がいるとする。
イチャイチャの度合いにもよるので、ここではハグ程度にしてみる。

人前でスキンシップを取ること自体、日本人があまり好まないやり方である。
そんなことは人目を忍んでやりなさいよ、というやつ。

しかし、そんなことを飛び越えた理由がある場合をわたしたちは無視している。
彼が言うように、今生の別れかもしれない。
そこまで大きな理由でなくとも、遠距離恋愛で次に会えるのは何ヶ月も先かもしれないし、また逆に何ヶ月ぶりにやっと会えた恋人同士かもしれない。
もちろん、そんな理由はなく、ただただ恋人に触れたいと思っているカップルかもしれないけど。

 

が、彼が言うようにそれらは「今の気持ち」を大切にした結果なのだとしたら、なんて素敵なひとときなのだろう!と思えてきた。
誰だか知らん人のイチャイチャしてるところなんて見たくないから家でやれ!と思っていたけれど、人には人の、大切にしたい気持ちがあるのだ。

 

彼からその話を聞いたのは、彼との1週間の旅行を終え、再び遠距離へと戻っていくそのとき、羽田空港でだった。

今その話するってことは、何かい?わたしがあまりにもそっけないからかい?

と思ったけれど、その瞬間、彼が猛烈に愛おしく感じ、公衆の面前で彼にキスをぶちかましたのであった。

 

次の瞬間、

「人が見てるよ〜」

とニヤニヤした顔があったので、やはりわたしはまんまと口車に乗せられたのかもしれない。