ある日の、計算のない問いかけ
このあいだ実家に帰っていたときのこと。
友人と食事に行った居酒屋で、隣のテーブルに座っていた女子ふたり(おそらくアラフォー)の話が耳に入ってきた。
ものすごい大きな声で詳しく話していたのでありがたく耳ダンボにして拝聴。楽しませていただきました。
ふたりを仮にA子さんとB子さんとする。
A子さんはおそらく既婚。
B子さんは結婚に興味がないとずーっと言っていたのだが、最近になってようやく結婚したいと思うようになったらしい。
B子さんは今までは短いおつきあいを繰り返していたが、このままではダメだ!と一念発起。
今は3人の人を天秤にかけているようだった。
B子さんはとにかく3人を値踏み。
「見た目はA男がいちばんマシ」
「でもB男と上手くいけば将来ラク」
「C男は優しいけど真面目すぎて面白みなし」
「B男は連絡遅くて萎える」
「みんなおごってくれるけど、そんなの当たり前」
などなどなど…
何様…!!!
すごい上から目線やな、おい!
A子さんもほとほと呆れていたようで、ずっと相槌だけ打って聞いていたけど最終的に「とりあえずさ、みんなに私と会ってくれてありがとうって言えば?」と言っていて、隣で大きく頷くアラフォー。
わたしは、ほんとにほんとにほんとに、心の底から、わたしと会ってくれてありがとうくらいの気持ちこそ、いい出会いを生むと思っている。
常にそれを思っていなくてもいいけれど、この人と出会えてよかったな、この人がわたしと出会ってくれてうれしいな、という気持ちが芽生えないうちは、まじでなにやっても上手く行かへんと思うねん。
見ず知らずのB子(もはや敬称略)がどんな生活を送ってきたか知らんが、3人から選ばれるとも限らないのにすでに自分が選ぶ立場に立っているところがとにかく解せぬ。
モテる日々を過ごしてきたのかね。知らんけど。
わたしの人生にはまったく関係のない人であるが、3人みんなから選ばれなかったらいいのにと思ったのであった。
殺伐とした気持ちになっていたら、iPhoneにダー様からの着信が。
何かと思い、友達に断って出てみることに。
「あ、もしもしー?今日は晩ごはんにカレー作って食べたよ。サラダもたくさん食べたよー。今なにしてるのー?」
……なんか一気にすごい平和!!
電話の向こうでミドルサーティのイギリス人がニコニコしているのが手に取るようにわかる。
見ず知らずのアラフォー女子との会話の差たるや、なかなかのものである。
わたしにはこの感じがちょうどいい。
手作りのカレーを食べて、サラダも食べたことを嬉々として報告してくれる感じがまさにちょうどいいと心底思ったのであった。